だれしも記憶に残る一言っていうのがあると思う。
友情
だれしも記憶に残る一言っていうのがあると思う。恋人との別れの言葉だったり、友だちがなんとなく呟いたセリフだったり。僕の胸に刻まれているその一言は、高校生のとき、好きだった子にいわれた言葉だ。
学校にいく途中、たまたまその子に会って、一緒に登校することになった僕は、思わぬ幸運に胸を高鳴らせつつ、沈黙が怖かったのでしゃべり続けていた。
そしたら彼女、こういったのだ。
「富くん。…ザリガニ食べた?」
…一瞬僕の頭にクエスションマーク「?」が浮かび、それが0.2秒後にビックリマーク「!」に変わった。ユアマウスイズバッドスメルと彼女はいっているのだ。
その後学校に着くまで、僕の口数が激減したことはいうまでもない。
思春期の男子にとっては生死に関わる一言だった、真剣に。
さて、名作には必ずといっていいほど印象深いセリフがあるけれど、僕が最も衝撃を受けたのは「ノーフューチャー」のシドの一言。
「ノーフューチャー」はセックス・ピストルズのドキュメンタリーで、ピストルズのデビューから解散までをメンバーの映像をメインに振り返るという内容。
で、注目の一言は中盤あたりのインタビューシーンで飛び出す。
「どこかいきたい場所は?」というインタビュアーの質問に対してシドが一言答えるのだけど、そのセリフがもう、なんていうか、救いがない。
ポジティブなニュアンスが0.00001パーセントも含まれてないというか、「絶望」っていう言葉を音にしたような感じ。
ほんとに冗談抜きで「ノーフューチャー」。
ただ、「泣ける」というテーマを考えると、シドのセリフは前フリで、涙が出るのはラストの部分。ピストルズのリーダー・ジョニーロットンの独白シーンだ。
ジョニーロットンは友だちとして、シドを助けようとしたわけだけど、残念ながらうまくいかなかった。
泣きながら心のうちを語るロットンを見ていると、シドを殺したもの(麻薬だかマスコミだか世間だか知らないけど)に対してとにかく腹が立つ。
泣ける映画っていうのは見終わるスッキリする作品が多いけど、「ノーフューチャー」は現実に起こった話で、後味はあまり良くない。
でもオススメ。特にピストルズファンは必見!
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